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DXには変化への「理解」が大事

こんにちは、POINT EDGE代表の友松です。本記事では、昨今話題となっている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」について、弊社で担当したDX支援業務などから見えてきた、「本質と適用のための仮説」をご紹介します。数回の考察を「企業のDX導入をビジネスデザインから考える」と題して発信しますので、1つの視点としてご参考になればと思います。また、DXの議論は、ぜひ皆さんのご意見もfacebookなどを通して交わしていけると幸いです。

友松哲也(POINT EDGE 代表/ビジネスデザイナー)

DX適応へのステップ

DXの意味を定義し「DXに適応する」ことをゴールに考え方をまとめていきます。第2回目は<DX=変化>にどのように<適応>していくか、自分なりのアプローチを説明していきます。

DXとは、デジタル時代における生活様式や価値観の変化であり、「変化」とは不確実性や多様性を受け入れ、状況に適した選択を行った結果生まれる<適応>であると前回説明しました。

では、適応とはどのように行われるのでしょうか。また、その適応に対する準備をどのようにするべきでしょうか。今回は、「適応」と「適応に必要な準備」について、説明していきたいと思います。

「適応」とはなにか?

前回ではダーウィンの進化論を用いて、自然選択の考え方をベースに「適応」について説明をしました。一言でまとめると、変化とは、不確実性の中からランダムに選ばれる選択の結果であり、多くの可能性に対応できるものが生き残こる、この対応のことを「適応」と呼びました。

ここで気をつけるポイントが、「適応」は計画的には行えないことです。

何が起こるかわからない未来に対して、あらゆる可能性を考慮して準備をしておくのは、現実的に不可能です。例えば、2000年の時点で、iPhoneがここまでのシェアをとり、我々の生活様式を根底から変革させることを誰が予想できたでしょうか。そして、その変革に備えて準備を行った人がどれだけいたでしょうか。

重要なのは、”予測”をし、”計画”をすることではありません。予測不可能な変化が発生することを容認し、その変化を受け入れることができるように備えること。言ってしまえば適応に向けて心構えをしておく、ことが極めて重要です。

「予測不可能な変化を容認する」とは、自分の価値観とは全く異なる価値観を受け入れることです。繰り返しになりますが、未来を完璧に予測することはできません。そして、もう一つ重要なのは、変化のプロセスも予測できないことです。つまり”誰が””どのように”作用して変化が起こるかも分かりません。

自分たちが今まで考えもしなかった価値観を持つ誰かが”変化”を起こすのです。例えば、現在の子どもたちはテレビを見ずYouTubeを見ます。彼らがが大人になった時、YouTubeで自分たちの意見を発信するようになるでしょう。そして、その行為が新しい価値観を社会にもたらします。つまり、想像できない価値観が社会を変革していくことを、今の大人たちは容認しておく必要があるわけです。

「変化」に備えるためのステップ

ここからは少しビジネス視点で考えましょう。<変化は”予測”することができない>ことを前提としたとき、企業ができる準備とは何か?です。 私の経験から企業様に向けては、以下の4つのステップで準備をすすめることを提案しています。

STEP1 「多様性の受け入れ」
STEP2 「変化への意思」
STEP3 「適した場所」
STEP4 「変化への理解」

それぞれのキーワードを見ていきましょう。

STEP1の「多様性の受け入れ」は、想像できない価値観を受け入れることができるように、自分たちの価値基準では推し量れない物事があること意識することを指しています。例えば、従来、軽視しがちだった”少数派”の意見を取り入れることです。一般には「多様性の受け入れ」とも言います。多様性とは人種やマイノリティの人たちを指すだけではなく、今まで社会の常識からかけ離れていると考えられ軽視されていた少数派の意見も含まれます。具体的には、経営陣の意識改革も含めて、考え方を変えていくワークショップが有効です。

STEP2は「変化への意思」です。企業(または従業員)が、多様な価値観を受け入れること、そして適応することを<意思表明>します。具体的には、変化を受け入れることを進めていくことを周知するため、<DX戦略>で方針をまとめます。そして、社内外に向けて宣言をしていきます。この戦略は、単なるデジタル導入のロードマップでないことがポイントです。

STEP3は、「適した場所」です。多様な価値観を受け入れることができるように、意見をディスカッションする場を設けたり、具体的にその意見をプロジェクトに昇華していくことのできる仕組みを作ります。コロナパンデミックの前であれば、社内への共創空間なども1つのアプローチでしたが、現在は、オンラインスペースを設置しディスカッションできる場を作ることもできそうです。ポイントは多様な意見と考えを容認する文化の醸成です。

STEP4は「変化への理解」です。変化をしていく、つまり適応を進めていくと、適応外になってしまう事項も生まれると思います。例えば既存事業の一つが変化に適応できない可能性が出てくることも考えられます。そうなった事態には、変化に理解を求め、既存事業をピボットする必要があるかと思います。その準備として、変化そのものを組織全体に浸透させ、理解を得ることが重要です。多くのDX推進がつまずく要因でもあります。

今回は、変化適応のステップを整理してみしました。次回は、どのようなアプローチでこのステップを実現するのかを解説していきます。

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友松哲也

Tetsuya Tomomatsu

株式会社POINT EDGE代表取締役/ビジネスデザイナー
前職IT系メーカーにてソフトウェアのプロダクトマネージャーを担当。その当時から企画立案を体系的にできないかと考えUXやビジネスデザインを独学で学び始める。同社のIoT製品企画/立ち上げプロジェクトを成功に導き、より幅広いビジネス課題解決を支援したいとキャリアチェンジ。“一人の天才の力ではなく、チームの力で課題を解決する仕組みが日本企業には必要”と考え、クリエイターコミュニティを擁するデザインファーム株式会社POINT EDGEを設立。「モノゴトをデザインする」をコンセプトにさまざまな職種のクライアントにビジネス課題解決を支援している。
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