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DXの本質は「適応」にあると考える訳

こんにちは、POINT EDGE代表の友松です。本記事では、昨今話題となっている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」について、弊社で担当したDX支援業務などから見えてきた、「本質と適用のための仮説」をご紹介します。数回の考察を「企業のDX導入をビジネスデザインから考える」と題して発信しますので、1つの視点としてご参考になればと思います。また、DXの議論は、ぜひ皆さんのご意見もfacebookなどを通して交わしていけると幸いです。

友松哲也(POINT EDGE 代表/ビジネスデザイナー)

DXで一番重要な要素である「変化」について

ご存知の通りコロナウイルスによって世界は変化しました。私達の生活や社会活動が様変わりする中で、生活様式や価値観も変化をしています。例えば、日用品などの買い物はECで購入する、自宅でオンラインコミュニケーションツールを利用して仕事をこなす。それら私達の生活を支えているのは「デジタル技術」です。また、「デジタル技術」が今後もより生活や社会活動に密接に関わっていくことは自明です。

そんな背景もあってか、ビジネスの世界では、「DX」に注目が集まっています。

最近、弊社でもDXに関するビジネス支援のご相談が増えてきました。数年前からの2025年問題などの文脈に加え、企業のあり方・・・その業務様式や価値観に「変化」がコロナショックを受けて発生しているとも言えます。その「変化」の最中で、企業活動に生まれる課題、例えば”企業をデジタルドリブンに変革させる”といった意向で社内DX推進をしているが、うまくいかない。そんな、ご相談をいただくことが増えています。

DXに関するビジネス支援

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なぜDXがうまくいかないのか?

DXは、今後、真に本格化する「ビジネスのデジタル時代」(デジタルによる業務効率化/データドリブン経営など)において、人々だけでなく企業も含めて変化が訪れる「変化」の”現象”を表した概念です。最近では時代の変化についていけない企業は取り残される、置いていかれるといったホラーストーリーで語られることが多いでしょう。そして、危機感を高めた上で「デジタル活用、IT活用」の必要性だけが謳われることが多いように感じます。果たしてデジタル活用がDXの本質なのでしょうか?

DXは言葉自体が曖昧なため、本質を考えても「答え」が出ない側面もあります。また、そもそもDXの本質を考える議論に行き着かないことも多いです。ここで冷静な視点が必要となるのが、<DXの目的>です。

つまり、自社にとってのDXの定義、DXへの期待値。そういった”自分たちなりのDXを定義する”必要があります。でないと、DXの目的を見失うことになります。よくあるDX推進がうまくいかない理由は、目的(=未来の変化)を議論しないまま、見た目に華やかな「業務のデジタル化(デジタルツール導入など)」が目的化してしまうことです。実際にはその先にある社員や企業自体の<変化>こそが重要です。

変化とは「適応」である

私は、DXの本質は「適応」にあると考えています。それを説明するために「変化」を少し説明する必要があります。

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この言葉は進化論で有名なダーウィンによる言葉ですが、よく誤用されることでも有名な言葉です。(実はダーウィンの言葉ではない説もあり…)

進化論の骨子である「自然選択」「自然淘汰」を端的にあらわした言葉ではあります。言葉だけを見ると「変化という現象」に追随できたものだけが生き残れる…と捉えてしまいがちです。しかし、本来の意味合いは異なります。仮に実際に変化に追随できたものだけが生き残っているのであれば、現代ここまでの多種多様な生物が存在することとの辻褄が合いません。

生物学の専門家ではありませんので詳しい説明は避けますが、実際「自然淘汰」は「変化した」「変化しない」に関わらず、<選択されたものだけが生き残る>という言い回しの方が正確と言えるようです。そう考えると戦略的に生き残りやすい種は、多様な可能性に適応できるものになります。つまり、”変化に追随できる”ものではなくて、”来る変化に備えて様々な準備ができている”ものの方が生き残りやすいのです。

まさに、DXも同様と私は考えています。

これから来る不確実性の高い時代において、どのような変化が起こるのか完全に理解することは不可能です。コロナウィルスのパンデミックに関しても発生前にこのような事態を想像できた人少ないでしょう。ただ、時代の変革を読み取り、働き方改革/リモートワークを推進する取り組みをしていた企業は、パンデミックにも冷静に対処ができました。

DXという変化にいかに適応するか

話をまとめると、「DX」とはデジタル時代における生活様式や価値観の変化であり、「変化」とは不確実性や多様性を受け入れ、状況に適した選択を行った結果生まれる「適応」です。

最近は「VUCA *の時代」と言われるよう、時代の変化スピードが早い状況においては、”変化の予測”をすることは不可能で意味がありません。しかし、一方で、”変化を予測しデジタル活用で解決する型”のDXを実施する企業が多いように感じます。既存事業に無理やりITやIoTを絡めた事業を作り出すことがDXではありません。

本質は「DXの変化に適応できるように準備をすること」がDXの本来のゴールです。次回からは具体的にDXに「変化適応する」準備の進め方について、語っていこうと思います。

*VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワード

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友松哲也

Tetsuya Tomomatsu

株式会社POINT EDGE代表取締役/ビジネスデザイナー 前職IT系メーカーにてソフトウェアのプロダクトマネージャーを担当。その当時から企画立案を体系的にできないかと考えUXやビジネスデザインを独学で学び始める。同社のIoT製品企画/立ち上げプロジェクトを成功に導き、より幅広いビジネス課題解決を支援したいとキャリアチェンジ。“一人の天才の力ではなく、チームの力で課題を解決する仕組みが日本企業には必要”と考え、クリエイターコミュニティを擁するデザインファーム株式会社POINT EDGEを設立。「モノゴトをデザインする」をコンセプトにさまざまな職種のクライアントにビジネス課題解決を支援している。
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