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CASE006:「出雲と大和」の文化を届けるメディア「つたう IZUMO to YAMATO」の立ち上げ

  • 文化というフィルタを通して”日本のルーツ”を辿るブランド体験を創る。

     背景 | 課題 

    • きっかけは、日本書紀成立1300年を記念して島根県・奈良県共催で行われる特別展「出雲と大和」の若年層・女性向けプロモーションの相談
    • 一方、従来のPR施策ではターゲットへの訴求が難しいことが想定され、ターゲットの嗜好を捉えつつ日本最古の正史『日本書紀』のポテンシャルを生かしたPR施策が必要
    • そのため、特別展への興味喚起やその大目的である「観光誘致」を見据えたブランドメディアづくりを提案
     

     アプローチ 

    • 古来、出雲・大和の地に”つたう”暮らしの文化をテーマにブランドメディアの構想立案
    • ターゲット目線でのブランドコンセプト策定〜コミュニケーションプラン設計を一気通貫で実施
    • 文化特性や『日本書紀』のエピソードからテーマを導出し、作り手への現地取材を踏まえた記事のライティング
    • デジタルプロモーションだけではなく、日本橋に立地する両県アンテナショップを活用したリアルな体験の場の立上げ
     

     効果 

    • コンテンツクオリティと『日本書紀』の世界観を両立し、数ある観光サイトと一線を画すコンセプトでの両県の魅力発信
    • 実制作3ヶ月強の期間でメディアリリースから展示イベントの開催までを実施
    • 多くの作り手とアンテナショップの協力で実現された「見本市」イベントの開催

    ”はじまりの物語”にポテンシャルを見出し、「文化をつたうメディア」のコンセプトへ。

    「日本書紀に関する企画展に若年層を呼び込みたい」。これが、初めてお話をいただいた時点でのオーダーでした。前提情報があまりない段階の感想は、「正直難しいだろうな」というもの。よくよく話を聞いてみると、2020年は『日本書紀』の成立1300年の節目あたること、その『日本書紀』は日本最古の正史とされていること、そして何よりも、神話や出雲大社で有名な出雲、最古の都である大和が題材であることを知り、「私たち日本人のルーツに迫るストーリーが見せられないか」と徐々にブランドのイメージが湧くように。企画展では重要文化財等の史料が展示されるため、そこから離れずかつターゲットに敬遠されがちな”歴史色”が強く出過ぎないようなアイデアとして、「現代に受け継がれた出雲と大和の文化を伝える」というコンセプトの原型が生まれました。
    ヒアリングやリサーチを重ねるうちに、二地には魅力あるコンテンツが多いことに気づかされ、ひとつひとつを丁寧に掲載できるWebメディアの形で表現することになりました。 ブランド名は「つたう IZUMO to YAMATO」。タグライン「神さまが、今に残したモノとコト」が示すのは、神話に描かれる地で、水が”つたう”ように、長い歳月の中で育まれてきたいいモノ・いいコトを紹介するメディア。若年層、特に女性に興味を持ってもらうため、「和」や「お店」を想起させ、そっと中を覗いてみたくなるような「のれん」をキービジュアルに据えています。

    暮らしに根ざした文化をテーマに、「出雲と大和」を表現する。

    「つたう」では、衣食住にまつわる5つのカテゴリについて、出雲・大和それぞれの文化を紹介する記事を掲載しています。コンテンツ開発のはじめに取り掛かったのは、記事テーマの抽出です。『日本書紀』のコンテキストにおいて二地の文化をどのように表現すべきか、カテゴリに適したトピックは何があるかを整理していき、二地の特色が表現でき、対照性を引き出せるテーマを選定していきました。また、単に伝統工芸やスポットを紹介するだけでは、数多ある観光サイトと同じ役割しか担えないため、『日本記事』や二地の文化史と関連性を持たせることにも心を砕きました。 サイト制作にあたっては、『日本書紀』の難解さをなるべく感じさせないよう、語り口やビジュアル表現に配慮しています。そこに色を添えたのは、文化の担い手たちの生の声です。現地に足を運び、担い手たちの言葉を引き出すことで、ただの銘品紹介では伝えられない、文化・伝統の奥行きを出すことができました。
    記事の説明

    「つたう モノとコト市」の様子。<上:にほんばし島根館、下:奈良まほろば館>

    二地の銘品が一同に会するイベント 「つたう モノとコト市」の開催。

    出雲・大和の魅力を、リアルかつ空間的に感じてもらうため、銘品を集めた見本市イベント「つたう モノとコト市」を開催しました。会場には東京・日本橋にある島根県、奈良県のアンテナショップをお借りし、3週間程度の展示イベントを行っています。 開催にあたっては、両県のアンテナショップの方に多面にご協力をいただいたほか、私たちでも独自に工芸品ブランドを掘り起こしたり、現地でのバイイングを行ったりしました。

    直に触れることで、語れるようになる。作り手たちとの出会い。

    島根、奈良、東京で回ったロケ・取材先は約30件。連日早朝から深夜までの強行軍でしたが、限られた期間の中で少しでも多くのコンテンツを届けたいと制作チームを突き動かしたのは、文化・習俗に対する強い興味でした。この弾丸ツアーの一番の収穫は、作り手たちの想いや息を飲むような手仕事の数々、そして再興や復興の取組みに従事される方々の志に触れ、二地につたう文化の深みを制作に関わるメンバーが体感したことです。この琴線に触れる経験があったからこそ、「つたう」の世界観を、高次のクリエイティブに昇華させることができました。多くの調整を香盤に落とし込んでくれたスタッフのサポート、多面にご協力いただいたアンテナショップの方、そして快くお話をお聞かせいただいた取材先の皆さんには、深く感謝するばかりです。 私たちの仕事は、ブランドの想いや伝えたいメッセージを、ターゲットの感性に響くようなビジュアルや言葉に翻訳することです。そして、その魅力を支えるエッセンスを引き出し、クリエイティブに載せて世界観をつくり上げること。言葉ではシンプルな表現ですが、その過程には多くの人の手が重ねられています。
    記事の説明

    繊細な美しさと長い年月を耐え抜く強さを合わせ持つ「奈良団扇」

    記事の説明

    ”用の美”を紡ぎ出す「出雲民芸」の手仕事

    記事の説明

    割れてもなお美しく生き続ける。暮らしの中の「金継ぎ」

    記事の説明

    出雲地方で唯一受け継がれている「筒描藍染(つつがきあいぞめ)」の技法

    記事の説明

    現代の感性でアップデートされた伝統。一刀彫りの「ひいな」

    記事の説明

    蔵元の努力で再現された最古の清酒「菩提酛(ぼだいもと)」の味わい

    MEMBER

    Produce, Planning
    DAISUKE HAYASHI (POINT EDGE Inc.)
    Brand direction, Editing
    DAISUKE HAYASHI, YUKIHIDE KANDA (POINT EDGE Inc.)
    Production management
    MAYU OKIZAKI (POINT EDGE Inc.)
    Art Direction, Design
    KAORI KATAOKA (nico design)
    Copywiting
    TOMOAKI HOSHINO
    Photography
    HIROKI SUGIURA (foto Co.,Ltd)
    Web development
    ACTBE Inc.
    Booth constraction
    Tokyo Lithmatic Corporation
    Sales reps, Ad ops
    KOICHI TAKEBE (POINT EDGE Inc.)

    本文内の役職や所属は、プロジェクト当時のものです。

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