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【イベントレポート】デザインの効果測定

2/28 開催 「BUSINESS EDGE ♯09」レポート

今回のテーマはデザインの効果測定。POINT EDGE のブランディングデザイナーのイから、デザインの価値測定経験を共有してもらいました。イベント時の発表内容を一部抜粋してお送りします。フルバージョンはYoutubeよりご覧ください。

変化の観察

効果を測定するということは、変化を観察することだと思います。 デザインをした後にどのような変化があったか観察することです。

デザインはコミュニケーションなので、デザイン作業が終わったからといってそこで終わりではなく、そこからが始まりではないかと思います。

デザインの効果を測定する方法は様々あります。例えば、ウェブ広告イメージを作った後にABテストをしたり、パッケージをリデザインした後に販売率を確認することができるし、デザインの領域によって方法も色々あると思います。

今回共有する方法は、必ずしも正解ではなく、環境に左右されることもあると思いますし、あくまで経験に基づくものとなります。

何を測定するのか定義するのが難しい。

最初にお話したように、効果を測定するということは、変化を観察することです。 デザインもサービス全体の一部なので、全体の流れを考えると、どのような変化を観察するのか把握しやすくなります。

自分に依頼された仕事が全体のサービスの中の一部の段階だけだとしても どの位置にあるのか把握しておくと良いです。

例えば、新卒説明資料のデザインを担当することになったと仮定します。 このときに、全体の流れを把握しておけば、目標が立てやすく、どのような変化を観察するか決めやすくなります。

クライアントと相談しながら、次のステップで応募率を上げたい、とか営業職の求職率を上げたいという目標を把握します。 そして、その目標のためにデザイン戦略を考え、仮説を立てることができます。

そして全体を見るもう一つの理由は、目の前のデザインのみをやろうとすると、全体の統一性やバランスが崩れることがあり、当面は営業職の求職者数は上がったけど、会社をうまく表現できていないために入社後離職率が上がったということも考えられるからです。

役に立ちそうなツールとしては、サービスブループリントやカスタマージャーニーなどがあります。まずはこれらを簡単に作成して、自分がこの中で何をデザインするのかを把握すると良いと思います。

*サービスブループリントやカスタマージャーニーなどのツールはこちらからダウンロードできます。

統計が取れるものではない。デザインは直感的なものだ。

もちろん顧客満足度を数値化することはできると思います。ですが、通常デザインの効果は、人々がそれに満足したかどうかとか、本来伝えようとしたことを視覚的にうまく表現できたかになると思います。 このような部分は、インタビューやアンケート、顧客フィードバックなどのエスノグラフィーをベースにしたリサーチが適していると思います。

しかし、インタビューやアンケートを取ろうとしても、うまく言語化できなければ答えを得るのは難しいです。ビジュアルに関わるデザインは一つのテイストであり感覚なので直感的だと思われがちですが、意外に言語化できる部分がたくさんあります。

例えば、この名刺は美しいか?という評価項目はとても直感的で主観的です。 できるだけ美しさとは何かを言語化してみます。

このようにできるだけ具体的に言語化していくと、何を評価し、観察するかが明確になります。

リソースが不足している

実はこれが一番難しいです。デザインを依頼する時、効果があるかどうか確認することまで考えて、確認するための時間やお金を確保するのはなかなか難しいと思います。

評価や観察することをきちんと整理しても、結局実際にインタビューをしたり、フィードバックの時間を持てなければ意味がありません。

変わったやり方ではないですが、お勧めする一番良い方法は周りの人を利用することとクライアントとコミュニケーションすることです。

実際のターゲットに一番近いと思う周りの人(同僚等)にインタビューをします。 このインタビューは、デザイン段階でもできますし、デザインが終わった後にもできます。

そしてクライアントとコミュニケーションすることがとても大事です。 良い関係を作ることが重要なのですが、プロジェクト完了後にどのような変化があったのか、スモールトークができる関係を作ることが重要です。

実際にやってみると、思ったより効果がなかったという反応をうけることもありますが、そこから改善すべき点を学ぶことができるのは、デザイナーにとって本当に貴重な機会だと思います。

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