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【イベントレポート】OMOにおけるオフラインを軽視しないUXデザイン

3/31 開催 「BUSINESS EDGE ♯10」レポート

今回のテーマはOMOにおけるオフラインを軽視しないUXデザイン。ビジネスデザイナーの桑原から、オフラインの側からUXデザインを考えるtipsを共有しました。イベント時の発表内容を一部抜粋してお送りします。フルバージョンはYoutubeよりご覧ください。

OMO における UX デザイン

OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインを融合させるというものです。例えば、 「リアルに付随するデジタル」で考えると、お店で売るのが中心だけど、それに加えて EC でも売っていきましょうというように、デジタルがプラスアルファとして考えられています。それに対して OMO というのはあらゆることがデータ化されている世界の中でオフラインでの行動や体験というのも、デジタルと非常に密接に関わってくるっていうのがOMOという風に考えられるのかなと思います。

その中において UX デザインというのはどういう風に考えていくか。
UX デザインというのはオンラインに特化した言葉ではありません。なので デジタルとリアル、オンラインとオフライン、それぞれ横断していく体験のことを UX デザインと考えています。ただ、UX デザイン関連の情報として、デジタルサイドにおいてはどう体験 を作っていくのか等、非常に様々なメソッドが開発されている一方で、オフラインをどのように考えていくかということは非常にかけている部分ではないでしょうか。

軽視される オフラインのデザイン?

先日リテールテックの展示会に足を運んだのですが、どこもOMOというのは一つのキーワードになっていました。しかし、OMOと言われているものの多くが各チャンネル・サプライチェーンをどう繋ぎ、データ連携をさせていくかというようなものでした。

例えば、店舗はひとつの点で扱われていて、その店舗での体験をどう作っていくかというようなことは多く語られていないと感じます。そこにソリューションを導入することがゴールではないはずです。

ソリューションを導入することでオペレーションが変わり、顧客の体験も変わる。そうするとそれに合わせてオフラインのデザインの最適化が当然必要になってくるはずですが、その部分に対しては、 具体化されている例があまりありません。

つまり、オフラインの空間をどう作っていくかということはどうしても不在になってしまってるケースが多く見られるのです。

ただ、実は日本初のOMOと言って良いと思いますが、非常にうまくいってる事例があります。OMOの事例を説明するのに非常に分かりやすい例なのですが、なにかわかりますか?

答えは、回転寿司です。

回転寿司は、デジタルを非常にうまく使っています。元々、機械を動かしていくものではありますが、技術と空間の形がうまくマッチしている例です。

以前は、人間が中に入り、サービスを提供するかたちが主流だったので、ラウンド型の形になっていたと思いますが、今は人間がすぐそこでサービスを提供しているわけではないので、空間をどのように最適化していくかと検討した結果、図の右側の形になってることが多いのかなと思います。

回転寿司は、無人化という言葉は使っていないものの、ほぼ無人化されています。アプリケーションで行く予約をし、待合席では番号札を受け取り、番号札を受け取ると何番の席に行ってくださいという風に誘導されています。また、商品を受け取るの タッチパネルで行われますし、 最後の会計も自動化されているので、ほぼ 無人化されていますよね。

これが、旧型のサークル上になっているとおそらく、体験として非常に損なわれる部分もありますし、デジタルを使っても効率化しきれない部分が出てくると思います。この例から、空間を最適化させていくかが非常に大事だということはわかります。

前回のセミナーで説明したものですが、 購買行動の段階として、「 認知」「 興味」「 接触」「 購入」「 満足」というように段階的に移り変わります。(詳しく知りたい方はこちら

前回は「売らない店舗」の話をしました。売らない店舗というのは、目的が変わっているだけで、利益を上げていくというところには変わりはありません。

売らない店舗では、「購入」をEコマースに置き換えているので、「 購入」の意味は 店舗においては薄れているけれども、それ以外に「認知」とか「興味」「接触」のところを感じさせるための体験設計が店舗にはあることをお話しました。

前回は空間の話をあまりしなかったので、今回は空間に置き換えるとどういうことかの具体的な例を説明します。

当然、売れるお店のデザインをするとなったとき、人の通行量が多かったり商品量が多かったり面積が大きかったり、また店員の人数が多くないとモノというのは売れづらいのではと思いますよね。

具体的な例としてドンキホーテさんです。ご存知のとおり、ドンキホーテは 通路もギチギチに商品が埋まっていて、 商品量も多く、そして3〜4階建てのお店を作っていて、モノを売るための空間・場所になっている非常に分かりやすい例です。

一方でそうでないお店も増えています。

例えば 接触をメインにしたお店というのも 一部で生まれてきています。その場合、必ずしも通行量がある場所でもなくてもいいし、面積が大きくなくてもいい。無人化してしまって店員さんがそこにたくさんいなくても構わないお店です。

銀座に森岡書店という1週間に1冊だけの展示をする本屋さんがあります。その商品に触れさせて、そこには著者がいてコミュニケーションを取ることができます。非常に濃い接触ができる場所になっていてモノを売るということを目的にはしていません。 しかし、こういった 接触を促すことによって認知度を上げ何らかのビジネスにつなげていくことができるのではないでしょうか。

支援事例:專門小壳店次世代店舖

今までお話した考えをもとに、実際に弊社で関わっている事例の一部もご紹介します。

元々は郊外のロードサイドに大きな店舗を構えている会社さんだったのですが、駅近のような場所にも進出する計画がありました。当然、ロードサイドのような大きな店舗を構えられるわけではありません。

当たり前ですが、面積が小さくなると売上も小さくなってしまいます。これは当たり前ではあるのですが、どうにか解消したいというのが大きな課題です。

また、商材にも特徴があり、商材のサイズが大きいため、店舗のサイズが小さくなると商品の供給量も減ってしまいます。 この商材の特徴からも、店舗面積の大小は非常に影響を与えると考えられていました。さらに商材の特性上、数年に1回しか買わないモノのため、来店頻度は低く 顧客との継続的な関係性が得られずらいということもあります。

そこで今回の戦略としては、商材(モノ)の特性は変わらないため、都心の小型店舗では販売はEコマースとの連携を強め、店舗では商材(モノ)の弱点を補うサービス(コト)を提供し、顧客との接点を増やすこととしました。

つまりOMOの中でお話しすると、今までの店舗だと、数年に1回しか訪れない場所なので 接点が非常に少なかったものを、新しい店舗ではその間でサービスの利用を促していくことをし、接点を増やすことにしました。

もともとあったアプリでは、もともと顧客との接点を複数作り、維持していこうという考えもありましたが、アプリと店舗の差が非常に大きく、うまく接続ができていませんでした。しかし、サービス利用を促すことにより、アプリとの接続性もよくなり、サービスの一体感が生まれてきたと感じます。これが、オンラインとオフラインを融合していくOMOですね。

次に、実際にサービスを提供するための店舗はどう作っていくか。
従来型の店舗は小さいお店であっても商品を詰め込んでいっぱい並べるような店作りをしていました。しかし、サービスの部分を大きく前面に持ってきて、お店に入ることを前提とせず、この店の中に入らなくてもサービスを受けられるような形にしていきました。

オフラインの常識が変わる?

まとめとして、これらの事例から、オフラインの常識が結構変わってきてるのではと考えています。

今までお話したことを実現するためには、テクノロジーとスペースとビジネスを透過で考えていかなければならないと思っています。

場所の意味が、ビジネスやテクノロジーと非常に密接に関わりを持つようになってきているので 、回転寿司の例のように、 オペレーション・技術・体験を一緒に考えていかないと必ずしもDXやOMOがうまく機能していかないということもあり得ると思います。 そのため、こういったスペースのデザインというところからアプローチをしていく UX のデザインというのもあるのではないでしょうか。

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