POINT EDGEは「ビジネスデザイン」という言葉(ワード)を提供価値の表現に用いています。現在、一番しっくりくるので、「ビジネスデザイン」で落ち着いてます。
「ビジネスデザイン」という言葉は、浸透しているとは言い難い状況だと思います。定義も曖昧で、その言葉を利用している事例をみても、“ビジネスを理解しているデザイナー”という文脈で使われたり、“デザインを通してビジネスの課題を解決する”文脈で使われていたり、ブランディングと混在していたり・・・人それぞれの意味合いで利用されていることがほとんどです。私は、ある人が”ビジネスデザイナー”を名乗っていたのが出会いで、その時点では深く意識していませんでした。
ただ、私達の考え方やアプローチを言葉にしようと考えた時に、一番はじめに浮かんだのがこの言葉で、それがまさに私達の姿勢をうまく表現していると感じたのです。結果的に、「ビジネスデザイン」のもつ“言葉の力”を利用することにしました。
POINT EDGEは、以下のような様々なサービスラインをもっています。新規事業の立ち上げ支援やブランディング、コミュニティマネジメント・・・これらを生業にしていますし、アウトカムとして提供しています。そして、いずれも“ゴールはビジネスを成功させること”に意識を持っています。
ビジネスを継続的な経済活動だと定義すると、そこには必要な要素が多数あります。当たり前ですが、ビジネスアイデアはまだビジネスにはなりきれていません。
画期的なビジネスアイデアがあったとしても、それが継続的に収益を生み出し、いずれは市場を形成するためにはやるべきことが多数あります。いうならば、アイデアをビジネスとして形作る必要があります。
・コンセプトやビジョンを定義する「センスメイキング」
・継続的に収益を生み出すための「ビジネスモデル」
・サービスでどのように市場を形成するか「成長モデル」のプランニング
・技術的な課題の解決を見出すために「プロトタイピング」
上記が通常私達が採用するプロセスです。アイデアをビジネス化するためには、最低限、これだけのことを実行する必要があると考えています。(仮に一部しか行えなかったとしても、全体の設計は先に行ったうえで実行するのがよい)
ここには複雑な要素が絡み合っています。ひとつの手法や役割で解決できるものではなく、ましてやひとりの天才だけで乗り越えられることもできません。あのスティーブ・ジョブズでさえスティーブ・ウォズニアックがいなければAppleを立ち上げられなかったでしょう。この複雑な要素はチームの力で解決する必要があります。様々なメンバーにプロジェクトチームに参画してもらい、プロジェクトを文字どおり、縁の下から支えるアプローチをとる必要があります。市場戦略が必要であればマーケターを、収益モデルの作成にはストラテジストを、技術的な課題解決にはプロフェッショナルなエンジニアを。このプロセスは、ビジネスを設計し、構築していると言えるのではないでしょうか。まさにビジネスを成功させるための道筋をチームでデザインしていると言えると思います。
様々なプロフェッショナルが集まり、皆でビジネスをデザインする。そのため、私達は自分たちのアプローチを「ビジネスデザイン」で表現しようと考えたわけです。
私達は、このプロセス、ビジネスアイデアを形にし、よりよい方向に導いていく「ビジネスデザイン」プロセスをもっと様々な人に認知していきたいと考えています。
一般的にこのプロセスは、大抵は社内で集められたタスクフォースチーム的な急造チームでしのいだり、新規事業責任者という名で指名された担当者など、限られたリソースのやりくりがほとんどだと思います。一方でビジネスデザイン実行のプロセスは簡単ではありません。ビジネスはたくさんの課題を同時に解決する必要があります。そのために全体の設計(≒デザイン)を軽視できません。
・元のアイデアに固執してしまい、アイデアを高い視座で見直すことができない
・市場性を重視しすぎて本格的な投資を渋ってしまう
・プロトタイプの評価を気にしてしまい事業化まで議論が進まない
・ビジョンやコンセプトが曖昧でサービスなどの具体化が進まない
この「ビジネスデザイン」のプロセスを正しく認識して適切なアプローチをとれば、もっと多くの新規事業やブランディングのプロジェクトを成功できると考えています。そのファーストステップとして言葉の認知を上げ、事例やノウハウをナレッジとして貯めていく必要があります(我々のような委託会社としては、クライアントの文化醸成にコミットしていくことになります)。そして、「ビジネスデザイン」を体系化していく必要があると思います。私達は少しでもそのお手伝いができればと考えています。
・より価値にフォーカスしてビジネスを企画/設定できる
・プロセスが明確化するため事業化のスピードがあがる
・異なる役割のメンバーから様々な視点での示唆をもらえる
・ビジョンやコンセプトが定義され社内の協力を得られやすくなる
以上が、POINT EDGEがビジネスデザインというワードを使い続ける理由です。デザイン思考のように、行為自体に名称がつくことで、実践者が行いに意識を持ち、仲間に共有する機会が増えるのではないでしょうか。早ければ1年後にもそのような状況になれば良いと考えています。
最後に、我々の今やっていることを紹介します。2つのセミナーです。いずれもここで書いてきた「ビジネスデザイン」を行うために何を考えるべきか、議論する場だと考えています。少しでも興味がある新規事業担当、経営者、デザイナーの方の参加を待っています。
IDEA EDGE #01
スマイルズが実践する体温を上げるビジネスデザインとは?
ゲスト:株式会社スマイルズ 岡田 仁志 氏(2018/07/31開催)
IDEA EDGE #02
BAKEが描く経営を加速するブランドデザイン手法とは!?
ゲスト:株式会社BAKE 貞清 誠治 氏(2018/09/25 開催)
IDEA EDGE #03
旅行✕移動✕地方創造 J&Jが描く“掘起こし型”価値提案とは?
株式会社J&J事業創造 西濱 洋介 氏(2019/07/10開催)
BUSINESS EDGE #01
ビジネス戦略にデザインを取り入れる手法(2018/09/10開催)
BUSINESS EDGE #02
新規事業成功のために欠かせないチームづくり(2019/04/23開催)
BUSINESS EDGE #03
社内ナレッジゼロ!?はじめての新規事業づくり(2019/09/11開催予定【お申込み受付中】)
Tetsuya Tomomatsu